ジェンダー不平等によってその国の人間開発にどれほどの損失が生じたと考えられるかを測る目的で、国連開発計画(UNDP)が2010年から用いている統計的手法。1995年から2009年まで用いられてきたGDI(ジェンダー開発指数)、およびGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)に代わるものとして導入された。リプロダクティブ・ヘルス、エンパワーメント、労働市場の3側面において、5つの指数(妊産婦死亡率、15~19歳女性1000人当たりの出生数、国会議員女性割合、中・高等教育への男女進学率、男女の労働力率)に基づきジェンダー不平等を数値化したもの。HDI(人間開発指数。出生時の平均余命、平均就学年数、1人当たりの実質GDPなどで測定)とともに重視されている。13年の日本のHDIが187カ国中10位、GIIが148カ国中21位、14年には、HDIが187カ国中17位、GIIが149カ国中25位へと下がった(UNDP「人間開発報告書」)。日本がHDIで上位を占めているのは、保健分野などが優れている結果と考えられる。GIIでは、先進国でありながら男女の賃金格差や女性の意思決定の場への参加が遅れる日本の実情が見えにくい面がある。男女平等の度合いを指数化したGGI(ジェンダー・ギャップ指数 gender gap index)では、日本は13年が136カ国中105位、14年が142カ国中104位、15年が145カ国中101位、16年が144カ国中111位と推移し、17年は144カ国中114位と過去最低であった(世界経済フォーラム)。下位にとどまっている主な理由は、女性の国会議員や閣僚、管理職や専門職の比率の低さと、賃金が男性より低いため。