夫婦の一方、特に妻が一人で育児や家事の大半を負担する状態のこと。飲食店やコンビニで、店員一人があらゆる業務を担い営業させられている状態(ワンオペレーション)と似ていることから、その略語(ワンオペ)が使われている。単身赴任や入院などで配偶者が不在のため負担が集中する場合もある。1996年「社会生活基本調査」(総務省)では、6歳未満の子どもをもつ夫婦の1日の家事・育児・介護・看護・買い物の家事時間(8.16時間)の分担率は夫5%・妻95%だった。2016年の同調査では家事時間(8.57時間)の分担率は夫14%・妻86%と、夫の家事分担はわずかに増加傾向。家事の内でも育児時間はこの20年間で、夫は31分・妻は1時間2分の増加。イクメン(育メン。育児に参加する男性)が増えてはいるが、妻の育児負担も増大している。女性の活躍が期待されていても、「家事・育児は女性の役割」という性別役割分業意識が根強く残っているのも現状。特に専業主婦やパートタイムで働く妻は、家事・育児を一手に担わざるを得ない状況下に置かれやすい。また、女性活躍推進法も施行され共働きが増加したにもかかわらず、夫婦ともフルタイムで働いていても、妻側に家事・育児の負担が偏ることが多い。親族や周囲に助けを求めることができず、孤独を感じながら一人で全てを抱え込めば、心身共に疲れ果てた状況に陥り苦痛を抱える。30代を中心とする子育て世代には長時間労働者が多く、仕事と家庭の両立の壁になっているのも現状だ。働き方が見直され始めたが、余裕をもって協力し合える家庭生活が営めるよう、ワーク・ライフ・バランスの実現が望まれている。