病院をベースとする二次医療、より高度の先端医療を提供する三次医療に対して、診療所をベースとする住民に最も身近な医療を一次医療(プライマリー・ケア)と呼ぶ。医療は高度化とともにますます専門化したが、それがどれだけ患者の生活を改善したかについて疑問が生まれ、医療費が高額化するに従い、病院と連携しつつ、地域に基礎を置く継続的、包括的、かつ全人的な医療の必要性が強調されるようになった。プライマリー・ケアの理念は、地域の病院や保健、福祉との連携により、健康増進、予防医療、リハビリテーション等を達成する包括的な医療を目指すものである。