自らの病気とその治療方法についてすべての情報が知らされて、患者本人の判断と責任で医療を受けること。これまで医師と患者の関係は、一切を任せられる関係で、詳しい説明もない場合が多かった。しかし医療が複雑化し選択肢も増え、また療養の長期化とともに生活の質(QOL)や尊厳ある死に方も求められるようになった。こうしたインフォームド・コンセントや尊厳死(リビング・ウィル)を求める声が高まるなか、患者本人への情報公開と患者の自己決定権がより重要な位置を占めることになってきた。アメリカでは1991年「患者自己決定法」により、入院時に病院側が患者自身に自己決定権があることを告げることが義務づけられている。