介護保険は2006年度から大幅な改正がなされた(05年6月に成立、06年4月より実施)。予防重視型システムへの転換としては、要支援が2段階に分かれ新たに予防給付が導入されるとともに、要介護・要支援になる恐れのある高齢者に対しても介護予防事業が実施されることになった。社会福祉士と保健師、主任ケアマネジャーが連携して、予防給付・予防事業の他、総合相談支援事業、権利擁護事業を行い、地域で継続的・包括的なケアを推進する地域包括支援センターが新しく設置された。在宅と施設とで利用者負担に差があったのを是正するため、施設での居住費、食費は保険給付の対象外とされた(05年10月より先行実施)。また、新たなサービスとして、地域密着型サービスも創設された。また、09年の改正では、認知症ケアの充実、介護現場の人材確保と待遇改善などの施策が盛り込まれ、介護保険法が実施されてから初めて、介護報酬が3%引き上げられることとなった。11年度改正では、住み慣れた地域で医療や介護のサービスを受けられる仕組みの「地域包括ケアシステム」が拡充され、24時間対応サービスの「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」と、複数の居宅サービスや訪問介護などを組み合わせて提供できる「複合型サービス」が創設された。また、研修を受けた介護士などには、たん吸入などの一部医療行為も認められることになった(12年4月施行)。