2000年5月に制定された「児童虐待の防止等に関する法律」では、児童(18歳未満)の保護者が監護する児童に対し、暴行したり、わいせつな行為をしたり、長時間放置して監護しなかったり、心理的外傷を与えるような言動を行うことなどをさす。児童相談所が対応した児童虐待に関する相談処理件数は急速に増加し、14年度では前年度比120.5%増の8万8931件(速報値)となっている。04年の岸和田中3男子虐待事件(中学3年生の長男に食事を与えず餓死寸前まで追いやったとして父親と内縁の妻が逮捕された事件)を防げなかった反省から法律が改正され、「虐待を受けたと思われる子供」を見つけた場合、市町村や児童相談所に通告するよう国民の義務が拡大されたことも、相談件数の増加の背景となっている。また、07年の改正で08年度からは、虐待の疑いがある時、都道府県知事は保護者に児童を伴った出頭を求め調査できるようになり、それが拒否された場合は地方裁判所、家庭裁判所などの許可状を得て住居に立ち入って調査できるようになった。