ワークフェアとは、ウェルフェア(福祉)とワーク(労働)を組み合わせた造語で、福祉給付の受給者が働かないで給付に依存する生活から脱却し、就労を通して自立できるよう促す政策をいう。当初はアメリカで、子どもを持つ貧困世帯に対する扶助制度の支出を抑制する政策を指してこの言葉が生まれた。扶助の受給の要件として、就労や職業訓練を義務づけ、扶助依存者を削減することが主な目的であった。一般に、資産調査や所得調査が伴う扶助制度では、特に労働年齢の者を対象とする場合に、所得の要件だけでなく就労の要件が求められるが、ワークフェアはこの就労の要件を厳しくすることによって、扶助依存を抑制するものである。
他方、就業機会を保障すること自体を重視する観点から、積極的な雇用政策や職業訓練などを通して失業者そのものを少なくする北欧などで取られている政策や、障害を持つ人や短期就労者などの就労機会を増やすことを目的に、扶助制度と多様な就労のあり方を組み合わせる給付の制度(給付つき税額控除制度)も、ワークフェア政策の一つのあり方とみることができる。