公園や路上等で野宿して生活する人々に対し、就業機会や住居を確保し、健康診断を実施して自立を支援することを定めた2002年のホームレス自立支援法(ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法)では、ホームレスを「公園、河川、道路、駅舎その他施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」と定義している。自立支援策の整備で、この定義にしたがって推計される全国のホームレスは03年の2.5万人程度から13年には1万人を切る8265人に減少したが、この数字には、生活できる安定した職がなくネットカフェ等の深夜営業店舗や簡易宿泊所で生活する若者などは含まれず、これらを含めた広義のホームレスはむしろ増加していると考えられる。12年に実施された「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)」からも、これまでの中高年のホームレスが建設業や製造業の労働者であったのに対し、若者のホームレスは前職で常勤職が少なく、サービス業従事者が多いなど、非正規雇用の増加を反映して、ホームレスの特徴も多様化している。また、その予備軍が拡大していることも示されている。高齢化している中高年のホームレスとは異なる、ホームレスを未然に防ぐ就労支援策、住居支援策が求められている。