難病に苦しむ患者が地域で尊厳をもって生きていけるように、その医療費の患者負担を公費で助成する制度。1972年に制度が発足した時の対象疾患は4であったが、2012年に56にまで拡大された。15年実施の大幅な改革では、新たな基準により対象疾患は300程度(約150万人)にまで広げられるとともに、個別の医療費助成の仕組みは厳しくされ、これまで自己負担がなかった重症者にも所得に応じた負担が求められるようになった。
難病は、「発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立しておらず、希少な疾病であって、長期の療養を必要とするもの」と定義されるが、そのうち助成の対象とされる難病は、患者数が日本において一定の人数に達しないこと、および、客観的な診断基準が確立していることという条件を満たすもので、厚生科学審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定する。17年度では新たに24疾患が追加され、330疾患が指定難病とされている。医療費助成の仕組みは、医療保険の自己負担は3割を2割に引き下げ、その自己負担が多額にならないように上限額が定められた。17年度で上限額は、所得に応じて月2500円~3万円(高額かつ長期の場合は所得に応じて2500円~2万円)、人工呼吸器等装着者は月1000円である。