国家公務員、地方公務員、私立学校教職員、の3共済組合の年金を厚生年金に一元化する法律。2015年10月施行。日本の皆年金体制は、厚生年金や共済組合の被用者年金と自営業者等の国民年金に分かれていたが、賦課方式の財政運営の年金制度をグループに分けて運営することは難しく、制度の一元化が古くからの課題となっていた。1985年の改革で、国民年金がすべての国民に適用される基礎年金として一元化され、これに上乗せされる2階部分にあたる被用者年金制度の一元化が課題となっていた。2012年の社会保障と税の一体改革にともなう法改正で、公務員や私学教職員の共済年金が厚生年金に統一されることになり、官民格差も大きく是正されることになった。これにより、共済年金の2階部分の年金は厚生年金に統一され、共済年金と厚生年金とにあった制度的な差異は基本的に厚生年金にそろえて解消され、共済年金の保険料も厚生年金の保険料率(上限18.3%)にそろえる形で引き上げられることになった。統合された厚生年金事業の実施には、共済組合や私学事業団が活用されることになり、厚生年金の決定・支給はこれまでどおり日本年金機構または共済組合が行うとともに、制度全体の給付と負担の状況は国の会計に取りまとめて計上されることになった。共済年金にあった公的年金としての3階部分(職域部分)は廃止され、これに代わる新たな年金が創設されるが、その際、3階部分の年金と退職金を合わせた額と民間の退職給付との格差が段階的に解消されるよう、退職金の引き下げとともに3階部分の年金が調整されることになった。