自殺の防止を図り、自殺者の親族などに対する支援も行うことを定めた法律。自殺者数が1998年以降3万人を超える水準を維持する中で、自殺対策に取り組んでいる市民団体の運動が実り、2006年6月に自殺対策基本法が成立、07年6月の閣議で自殺総合対策大綱も策定された。その後、自殺者数は減少傾向をたどるが、自治体によって取り組みに違いがあることや未成年の自殺者数は減っていないこと、労働や教育など関係する部署が連携して対応することが必要なことなどから、自治体に自殺対策の計画作りを義務づける改正法が16年3月に成立した。都道府県や市町村が、自殺者の年代や職業などの分析をもとに、医療機関や事業者、学校や民間団体などとも連携し、地域の実態に合った対策を進めることが定められる。法改正の趣旨を踏まえた新たな「自殺総合対策大綱-誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して-」も17年7月に決定され、非常事態はまだ続いているとの基本認識の下、10年で日本の自殺率を先進諸国の水準にまで(15年18.5%から26年13.0%以下にまで)引き下げる数値目標が設定される。