アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が急激に減少し脳が病的に委縮するために、認知障害、知能低下、人格障害が起こる病態である。もともとは若年性の認知症であったが、高齢者のアルツハイマー型認知症が増えたために老人性アルツハイマー型と若年性アルツハイマー型に分けられるようになった。一方、若年性認知症は、18~64歳、とくに40歳代から60歳代はじめに発症する認知症の総称で、アルツハイマー型認知症だけでなく、脳血管性認知症、レビー小体型認知症なども含まれる。厚生労働省の委託研究結果(2009年)によると、18~64歳人口10万人当たりの有病率は47.6人で、患者数は全国で3.78万人と推計された。高齢者の認知症に比べれば数は少ないが、脳の委縮スピードが高齢者の認知症よりも速く、社会生活や家族生活に及ぼす影響が非常に大きい。若年性認知症対策には、認知症疾患医療センター(都道府県・指定都市が指定した病院)における確定診断、精神障害者保健福祉手帳に基づく支援、障害基礎年金等による経済的支援、認知症専用デイサービス・認知症グループホーム(40歳以上の介護保険認定者)などがある。