たんの吸引や経管栄養は、医療法等によって医療職以外の者が行うことは禁じられている。しかし、医療職が少ない特別養護老人ホームなどの介護施設等では、これまで厚生労働省の通知に基づいて例外的に、介護職による一部の医療行為が認められてきた。厚生労働省は、有識者検討会の中間報告を受けて法制化を図り、2012年度から介護職による一部の医療行為を法的に位置づけることになった。介護の専門職である介護福祉士については、その業務内容を「社会福祉士及び介護福祉士法」に位置づけ、養成カリキュラムに加える。在宅介護を支えるホームヘルパーらについては、必要な研修を受けることを条件に認める。研修を修了すると「認定特定行為業務従事者」として認定される。また、安全性を確保するために、実施できる施設や事業所は、都道府県に登録し、指導監督を受けることにする。