家族にケアが必要な人がいる場合、大人が担っているケアを引き受けている18歳未満の子どものこと。ケアの内容は、親の病気・障害のためにできない家事(買い物、調理、掃除、洗濯など)、身の回りの世話(着替え・移動・入浴・トイレの介助、服薬管理など)、きょうだいの世話などである。子どもたちは、ケアを担うことを通して、自分が役に立っていると感じたり、家族との結びつきが強まったと感じたりする面もあるが、学校の欠席や遅刻、宿題ができないなど学校生活への影響も少なくない。また、担っているケアが子どもの心身の発達や人間関係などにマイナスの影響を及ぼすこともありうる。ヤングケアラーへの対策は、イギリスで法律化されるなどの先進的な取り組みもあるが、日本では新潟などの一部地域での調査が始まった段階で、全国規模の調査や取り組みはまだない。なお「ケアラーズカフェ」(介護者支援喫茶)という、介護をする人が、日頃の悩みを話し合ったりして交流できる施設も広がり始めている。介護保険のケアマネジャーや看護師などが参加して相談に当たるところもある。