ADLは、「日常生活動作」と訳され、日常生活で行っている食事、排泄、入浴、移動、整容などの基本的な行動を指す。リハビリテーションや介護支援などにおいて、要介護高齢者や障害者が、どの程度自立的な生活が可能かを評価する指標として使われている。一方、IADLは、「手段的日常生活動作」と訳され、ADLより複雑で高次な動作で、買い物、洗濯、掃除などの家事全般や、金銭管理や服薬管理、外出して乗り物に乗ることや友人・知人を訪問すること、さらには趣味活動などを指す。高齢者の生活自立度を評価する際には、基礎的な動作能力をみるADLだけでなく、より社会関係的なIADLも測ることが必要と考えられている。なお、ADLやIADLを評価する際には、「できる」という能力面だけではなく、「している」という継続の状態からもみる必要がある。