「日本版継続ケア付き定年退職者コミュニティ」のこと。アメリカで普及してきたケアシステムをモデルに、今後、日本全国で開発する計画である。2014年12月27日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づいて、有識者会議での審議を経てまとめられたその概要は、「東京圏をはじめとする高齢者が、自らの希望に応じて地方に移り住み、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療介護が必要な時には継続的なケアを受けることができるような地域づくり」を目指している。従来の高齢者施設等との違いは、(1)要介護状態になってからの入所・入居が通例であったのに対して、健康な段階から入居し、できる限り健康長寿を目指すことを基本としている、(2)「受け身的な存在」であった高齢者が、地域の仕事や社会活動、生涯学習などの活動に積極的に参加する「主体的な存在」として位置づけられる、(3)高齢者だけで居住してきたのに対して、地域社会に溶け込み、地元の住民や子ども、若者などの多世代と交流・共働する「オープン型」の居住が基本となる、などが挙げられる。今後は、実施主体となる地方自治体や事業者の発掘と国の支援の在り方が課題である。