刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の触法少年、14歳以上20歳未満で罪を犯した犯罪少年、犯罪性のある人と交際をするなど、その性格・環境に照らして将来罪を犯したりする恐れのある虞犯(ぐはん)少年を主な対象とする法律。少年の犯罪を捜査した警察・検察は、すべての事件を家庭裁判所に送致し、家裁が刑事処分相当として事件を検察官に送致(逆送)した者のみが起訴される。家裁は、家裁調査官を用いるなどして調査を行い、審判を開くのが適当でない場合等には審判不開始の決定をし、それ以外は審判(非公開)が開始され(通常は単独の裁判官だが合議制の場合もあり、凶悪重大犯罪の場合には検察官と国選の弁護士が関与することがある)、(1)不処分、(2)保護観察、(3)児童自立支援施設・児童養護施設送致、(4)少年院送致、(5)刑事処分が相当ならば逆送(14歳以上)、の決定をする。16歳以上の少年が故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた場合は逆送が原則である。量刑に関する特例等が規定され、少年について本人を推知させる記事や写真の掲載を禁じる。以前は、触法少年は刑罰を科せないので強制捜査を実施できず、14歳以上の者を収容する少年院にも収容できなかった。しかし、少年犯罪の悪質化、低年齢化に対処するため、(1)触法少年について警察による強制的な調査(逮捕を除く)を許容し、(2)おおむね12歳以上の者の少年院への収容を可能にし、(3)保護観察処分を受けながら遵守事項を遵守しないことの程度が重い場合には、家裁の決定により少年院送致等の処分を可能にする等の法改正が2007年に行われた。さらに08年には、12歳以上の少年の故意の犯罪行為により被害者を死傷させた罪と、業務上過失致死傷罪等(傷害の場合は生命に重大な危険を生じさせたときに限る)に関し、原則非公開である少年審判に被害者等の傍聴を許す法改正がなされた。