殺人、放火等の重大な罪につき心神喪失や心神耗弱で不起訴、無罪、刑を軽減された者に対し、処遇決定手続き等を定めて継続的で適切な医療とそれに必要な観察・指導を行い、病状の改善と再犯の防止を図る法律（2003年法律110号）。地方裁判所に設置される裁判官一人と精神保健審判員（精神科医）一人の合議体の意見の一致したところで処遇の要否（精神障害を改善し、再犯せずに社会復帰することを促進するのに治療が必要か）を判断し、国公立病院等への入院決定や通院決定を行う。入院継続には原則として6カ月ごとに裁判所に審査の申し立てが必要。通院治療は3年間（2年以内の延長可能）。退院者や通院決定を受けた者は保護観察所の社会復帰調整官の精神保健観察を受け、裁判所による（再）入院決定を受けることもある。