裁判の慎重を期すため、訴訟当事者に、同一の事件について審級の異なる裁判所の審理・判断を受ける機会を原則として三度与えること。判決に対し控訴と上告、決定・命令に対し抗告と再抗告(民事訴訟のみ)、特殊な場合の特別抗告がある。三度審理・判断を受ける機会があるといっても、同じ審理を三度繰り返すのではない。刑事の一審判決に対しては、法律で定められた控訴理由(刑事訴訟法377~382条の2)を主張しなければならず、上告審では憲法違反か判例違反のみ主張できる(同405条)。民事の一審判決に対する控訴の理由に制限はないが、上告理由は法律によって限定され、最高裁に対する上告はさらに制限される(民事訴訟法312条)。