辞めさせたい裁判官に×印をつけた投票数が多数になった最高裁裁判官を罷免する制度。最高裁判所の裁判官は、その任命後、初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査に付される。国民審査は、罷免、つまり辞めさせたい裁判官に×印をつける方法で行われ、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときに、その裁判官は罷免される。最高裁の裁判官は内閣によって選ばれるが、場合によっては国民にとってふさわしくない人物であることもある。それを国民が直接に最終判断することにより、内閣による人選に国民がノーを突きつけるのが国民審査である。したがって、×印をつけてノーを突きつける、すなわち積極的に罷免すべきとする国民が多数かどうかによって審査され、棄権や白票など、積極的に意思表示をしない人は賛成派にカウントされる現状の国政選挙では1人1票が保障されていないが、国民審査には選挙区割りがないので、投票価値が完全に平等であり、民主的に優れた制度である。審査対象となった裁判官の仕事ぶりなどはしっかり広報するなどして積極的活用が望まれる。