司法に関わる書類を作成するのが司法書士、行政手続きに関わる書類を作成するのが行政書士である。司法書士と行政書士はともに代書人、すなわち役所に提出する書類を本人に代わって作る人である。ただ司法書士は司法に関わる書類、つまり法務局に提出する不動産登記や会社の設立登記の申請書を作成する。これに対して行政書士は、たとえば運転免許など各種許認可に関する申請書のような行政手続きに関わる書類を作成する。このような本来の業務に加え、最近では両者ができる仕事の種類は広がっている。司法書士は、成年後見人として自らが後見人に就き、判断能力が落ちてきた老人などの財産を管理することができる(成年後見制度)。また、認定司法書士になれば、訴額が140万円以下の民事訴訟につき簡易裁判所で代理人として弁論し、またその調停や和解の代理をすることができる(簡裁代理権)。一方の行政書士も、契約書を代わって作成できたり、紛争を和解で決着をつける法的アドバイスをすることもできる。司法制度改革によって士業の垣根が低くなり、士業間の共生が求められるとともに、必要な法的サービスに応じていろいろな士業を市民自身が主体的に使いこなすことが求められている。