有権者の多い2選挙区の当選者を1人増やす一方、少ない2選挙区では1人減らす措置。選挙区間で人口が移動すれば、有権者の票の重さが変わっていく。これを是正する措置として最も簡単なのは、公職選挙法を改正して定数、つまり当選者数を調整することである。2013年7月の参議院議員選挙は、「4増4減」の是正措置のもとで選挙が行われた。具体的には、有権者の多い神奈川と大阪が3人区から4人区に、少ない福島と岐阜の両選挙区が2人区から1人区に、おのおの調整された。2増2減のようにみえるが、参議院では3年ごとに半数が改選されるので、総議員数でみると「4増4減」となる。ただ、これによってもなお4.75倍程度の不平等状態は解消されない。その原因が、参議院選挙では都道府県別の選挙区制をとっていることにあることは、最高裁判所も認めているところである。もはや、定数配分を調整するだけの弥縫策(びほうさく)(一時のがれの間に合わせ)では、1票の重さを是正する措置として不十分であり、抜本的改正の必要に迫られていることは衆議院と同様である。