国会議員は、全国民の代表である(憲法43条)。これは、議員が選挙区から選ばれても、選挙区民の意思に拘束されずに行動することを求める意味である。国会議員が取り組む政治課題は、外交、防衛、経済政策、法務などの国益に関わるので、選挙区民に縛られずに全国民のために行動することが求められるのである。地元の選挙で選ばれたのだから、地元の利益を考えるのは当然だと思うかもしれない。しかし、憲法が国会議員を全国民の代表とする以上、もし地元の利益と全国民の利益とが衝突したとすれば、国会議員は後者を優先して行動しなければならないのである。選挙の票目当てに自分の選挙区さえよければいいという議員は、全国民の代表としては失格である。