最近の選挙におけるテレビの開票速報では、出口調査による当確報道競争が熾烈(しれつ)である。出口調査は投票日当日、投票後の有権者に、投票所の出口で投票した候補者名と政党名を聞く調査で、調査対象の投票所を適切に選定すれば、高精度の当落予想も可能とされる。また、テレビ、新聞、週刊誌などでは、選挙予想調査を実施して、当落予想を報道するのが恒例になっている。選挙予想調査は、全国および特定選挙区を対象にして世論調査を行い、選挙に対する有権者の関心、投票意図、支持政党、好きな政党などを調べるもので、かなりの精度で選挙結果を予測することができる。この結果に加えて、選挙区ごとの各種聞き取り調査のデータを基に、専門家が当落を予想する。テレビ局はこのデータに投票日当日の出口調査の結果をつき合わせて、開票速報において当選確実をできるだけ早く打つことを競い合う。出口調査は精度の高いデータが得られると考えられてきたが、不在者投票の増加、調査拒否の解釈、無党派層の動向の読み方などで結果が左右されることが指摘されている。