集団的過熱取材のこと。日本新聞協会は2001年12月、集団的過熱取材を「大きな事件、事故の当事者やその関係者のもとへ多数のメディアが殺到することで、当事者や関係者のプライバシーを不当に侵害し、社会生活を妨げ、あるいは多大な苦痛を与える状況を作り出してしまう取材」と定義し、メディアスクラムから事件や事故の被害者、容疑者、被告人とその家族や、周辺住民を含む関係者を保護するためとした見解を発表した。そこでは、とくに被害者に対して、集団的取材でより一層の苦痛をもたらすことがないように配慮しなければならないとし、最低限、(1)いやがる当事者や関係者を強引に包囲した状態で取材をしない。(2)通夜葬儀、遺体搬送などを取材する場合には、遺族や関係者の心情を踏みにじらないように、また服装や態度にも留意する。(3)住宅街や学校、病院など、静穏が求められている場所での取材は、その静穏を阻害しないように留意する、などを決めた。集団的過熱取材の状態が発生することを防ぐため、メディアはその解決策を合同で協議する調整機能を備えた組織を持ち、基本的には現場レベルで処理する方策を打ち出した。