報道の自由を守るために報道関係者に認められている、取材源(ニュースソース news source)を秘匿する権利。ジャーナリストの基本的倫理であるとされ、「職業上の秘密」に当たるという判決(1979年札幌高裁)で権利として認められてきたが、さらに報道の自由を確保するために必要な取材活動の自由を守るものとする考え方が法的に定着しつつある。アメリカの健康食品会社への課税処分に関する報道をめぐって、2006年3月17日、東京高裁はNHK記者の証言拒否を正当と認め、05年10月に出された新潟地裁の決定を支持し、会社側の抗告を棄却する決定を下した。この課税処分報道に関しては、06年3月14日、東京地裁が読売新聞記者の証言拒否に対して、「情報が公務員の守秘義務に反して語られた可能性がある場合、取材源を開示することはやむを得ず、証言拒否の一部には理由がない」とする決定を下したばかりであった。さらに4月24日には、共同通信記者の証言拒否に関して東京地裁は、東京高裁の決定を踏まえて、情報源開示を拒否する記者の主張のほとんどを認める決定を下した。そして6月14日、東京高裁は情報源に関する読売新聞記者の証言拒否を認めなかった3月の東京地裁の決定を全面的に取り消し、証言拒否を認める決定を下した。