国民が政治的、社会的問題に関する情報源に、必要に応じて自由に接近することができ、必要な情報を要求することで、欲する情報を知ることができる権利。情報公開は国民の知る権利を実現させるもので、民主政治の基本である。さらにIT(情報技術)の進展によって、個人情報が政府、地方自治体、巨大企業など社会の各方面で集積されていることから、これらの個人情報を個人の要求に従って公開し、修正の要求に応じることも求められている。2013年12月6日に成立した特定秘密保護法では「国民の『知る権利』の保障につながる報道・取材の自由に配慮し、正当な取材行為は罰しない」としているが、この規定は努力規定であり、さらにどこまでが正当な取材で、どこからが不当な取材となるかの境界はあいまいである。またこの法律では公務員らの情報漏出に厳罰が科せられるため、公務員らが報道陣の取材に対して消極的で保身の姿勢を取ることも予想される。特定秘密保護法は自由な情報の流れを阻害する恐れが強く、国民の知る権利が危機に立っていると危惧されている。