価格の自由競争を排し、すべての新聞は新聞業界が決めた定価で販売しなければならないという公正取引委員会が特例として認める制度。資本主義は自由に価格競争することを前提にする経済システムである。しかし公正取引委員会は、自由な価格設定が公正な競争を阻害するおそれがあるとき、その業界に特殊指定を行ってきた。公正取引委員会は2006年6月、見直しを行ってきた特殊指定五つのうち、新聞を除いて他の四つの特殊指定を廃止することにしたが、新聞特殊指定については結論を出すことを見合わせた。新聞は毎日、決まった時間に、誰でも、どこでも、同じ価格で手軽に購入できることで、すべての国民にとって必要不可欠な情報を入手できる情報媒体であり、過当競争に陥らないで全国に張りめぐらされた戸別配達網で日本独自の宅配制度を維持できることを理由に、特殊指定を受けてきた。