無料で配布される新聞や雑誌。フリーペーパー(無料紙)は女性を対象に生活関連情報を提供するものが多く、一般紙の読者サービスとして発行されたり、入り込み客を対象に特定地域に関するショッピング、イベント、飲食店情報などを掲載してきた。最近では駅や街角に無料の雑誌=フリーマガジンが置かれるようになり、着実に発行部数を伸ばしている。その代表が2005年7月創刊の週刊「R25(アールニジュウゴ)」で、ターゲットは25~35歳の男性。その他、幼稚園児の母親が対象の月刊「あんふぁん」、20代~30代対象でカルチャーとファッションを扱う隔月刊「FILT」など、読者を絞り、テーマを明確にしたものが人気を集めている。また1891年創刊の文芸・思想誌「早稲田文学」がフリーマガジンとなり、話題になった。イギリスのロンドンでは、タブロイド版のフリーペーパーが創刊され、読者囲い込みの競争をしている。90年にアソシエーテッド・ニュース社(有料の朝刊紙「デーリー・メール」、夕刊紙「イブニング・スタンダード」などを発行)から朝刊の無料紙「メトロ」が創刊され、競争の火ぶたが切られた。2004年に同じくアソシエーテッド・ニュース社は昼食時の会社員を主なターゲットとする無料紙「スタンダード・ライト」を創刊した。06年に「スタンダード・ライト」は無料夕刊紙「ロンドン・ライト」に衣替えし、ニューズ・インターナショナル社(メディア王のルパート・マードックが「タイムズ」や「サン」を発行)も夕刊無料紙「ザ・ロンドン・ペーパー」を創刊し、両紙が読者を奪いあった(両紙とも09年に廃刊)。