インターネットでダウンロードした文章や画像のデータを、パソコンやPDA(携帯情報端末)、携帯電話などの画面上に表示する書籍形態。2009年2月にアメリカでアマゾンの電子書籍新端末「キンドル2(第二世代)」が発売されて人気に火がついた。ついでソニーの「ソニー・リーダー・エディション」、キンドルの「キンドルDX」、そして電子書籍のほかゲーム、動画、インターネットが閲覧できる新型の多機能情報端末「iPad(アイパッド)」が発売されて、電子書籍事業の競争は激化する一方である。紙の時代に代わって電子書籍の時代が始まったといわれている。日本でも10年5月に日本語対応の「iPad」が発売された。「iPad」は「iPhone」を大型化し、通話とカメラ機能を省き、高精細な液晶画面を搭載したもので、電子書籍ばかりでなく、電子メール、新聞、雑誌、動画、音楽、ゲームなどが楽しめる。11月の韓国サムスンの「ギャラクシーTab」に続いて、12月にはシャープの多機能型情報端末「ガラパゴス」が発売され、ソニーの電子書籍の情報端末「リーダ-」とともに日本の電子書籍市場は過熱し始めた。10年3月に講談社、集英社、小学館など大手出版社31社は、一般社団法人「日本電子書籍出版社協会」を発足させ、電子書籍市場への対応を整えた。また電子書籍の配信サービスを行う主要5グループが誕生した。これらのグループはそれぞれ通信会社、端末機器メーカー、大手出版社、通販サイト、印刷会社などと参加企業はさまざまだが、いずれも電子書籍市場でのシェア掌握を狙っている。