出版社が取次店を通して配本する出版物を書店が販売し、一定期間後に売れ残りを返品として受け取った取次店が、販売した分の代金を回収して出版社に返品する、日本の出版物販売の中心制度。一方、取次店が出版社から一定部数の出版物を買い取り、さらに書店がそれを買い取って販売する返品のないシステムを責任販売制ないしは買い取り制度という。出版は出版社、取次店、書店の三者関係で成り立ってきたといえるが、雑高書低(雑誌の売り上げが隆盛で、書籍の売り上げが低迷する)現象が見られる現状では、トーハンと日販の二大大手取次が雑誌を基本にして出版社と書店を結ぶ役割を果たしている。書籍が売れる時代には書籍専門の取次店が機能できたが、人文・社会科学系の書籍専門取次の鈴木書店の倒産(2001年)が示すように、日本の書籍流通に変革期が訪れている。