新聞・放送記者などが政府、官庁を始めとする各種団体に対する取材と報道のために作る自主的な組織で、そこに常駐し、取材活動の拠点とする日本独自のシステム。その排他性、閉鎖性、特権意識などが指摘され、発表待ちの取材姿勢、他社との談合、ニュースソース(情報源)と癒着しがちな体質などが批判されてきた。2002年、日本新聞協会は記者クラブのあり方に関する新しい見解を発表し、従来の親睦団体という位置づけを改め、ジャーナリストの取材拠点とし、ジャーナリストが取材・報道のために自主的に集まった、開かれた組織であるとした。すでに1993年には外国報道機関にもクラブ加入を認めていたが、その後も記者クラブの閉鎖性に対する批判が強く、欧州連合(EU)からは記者クラブ廃止要求も出た。これをうけて日本新聞協会は2003年「廃止の必要はない」という見解を出すとともに、2004年には公式の記者会見には外務省発行の記者証を持つ外国メディアが参加できる原則を確認し、各クラブは記者会見への外国メディアの参加を支援することにした。民主党は政権交代前から党本部での記者会見をオープンにしてきたが、政権交代後は大臣による定例記者会見のオープン化を進めると約束しているものの、鳩山由紀夫政権に一貫した姿勢が見られず、記者に不満を与えているのが現状である。09年9月18日、岡田克也外相は記者会見で、外務省の記者会見は原則としてすべてのメディアに開放すると述べた。10月6日には亀井静香金融・郵政担当相は、金融庁内で記者クラブ主催の閣議後記者会見とは別に、クラブ非加盟社向けの会見を自分の主催で開くことを決め、毎週、金曜日のクラブ主催の会見後に開くことにした。原口一博総務相や小沢鋭仁環境相も情報公開に積極的な発言をしているが、記者クラブの反対を押し切ってまで、オープン化を進めていない。