アメリカの社会学者S.アーンスタインは、住民参加・参画の形態を、(1)あやつり、(2)セラピー、(3)お知らせ、(4)意見聴取、(5)懐柔、(6)パートナーシップ、(7)住民への権限委任、(8)住民自治、の8段階に分けた。このうち(6)~(8)の段階が、意思決定過程への関与を保障する、真の意味での市民参画である。そのためには、多少のエゴを抑えてでも自分たちでものごとを決め(自律)、みんなで相談して解決にあたる(連帯)、市民意識の醸成が不可欠である。阪神・淡路大震災後の神戸・阪神間では、このような自律・連帯意識が高まるとともに、この意識が一人ひとりの震災復興を進める力、すなわち市民力となっていることが確認された。