ガバナンスの元来の意味は国やある組織を治めること、すなわち管理であり統治であるが、現代的なガバナンスは政府による公的権限による統治と地域や市民社会による下からの自治を統合する概念。政府に加え、市民、NPO、企業など多様な主体が公共的利益の観点から主体的かつ自主的に意思決定や合意形成に関与し、問題解決を図るのがガバナンス型問題解決。環境問題の多様化・複雑化とともに、環境ガバナンス的アプローチが注目されるようになった。その特徴は、多様な主体の参加と協働、情報の公開とアカウンタビリティー(説明責任)の確保、透明性のある意思決定プロセスである。国際政治の分野では、世界政府のような中央集権的権威が存在しない状態で機能する政治システムを指し、一般に認められた規則や行動規約などの社会制度、特定問題領域での多国間の協調関係を規定するレジーム(条約や協定)などを含む。