1929年の世界恐慌以来といわれる世界的経済危機、そして気候変動とエネルギー危機の三つの危機に対処するため、世界恐慌時にルーズベルト・アメリカ大統領(当時)が行ったニューディール政策にならい、クリーンエネルギーなどへの大規模な投資を中心として世界経済を再建しようとする試み。イギリスを中心とするグリーン・ニューディール・グループが提唱し、国連の潘基文事務総長も「グローバル・グリーン・ニューディール」を訴えている。アメリカのオバマ新大統領は政権公約の中で、クリーンエネルギーに大規模な投資を行い、新たな緑の雇用を創出する「グリーン・ニューディール」政策を掲げている。その内容は、(1)クリーンエネルギーに今後10年で1500億ドル(約15兆円)を投資し、500万人の雇用を生みだす、(2)2015年までに100万台のプラグイン・ハイブリッド車を走らせる、(3)自然エネルギー電力を2012年までに10%、2025年までに25%を達成する、(4)温室効果ガスを2050年までに1990年比で80%削減する、としている。2009年1月には、斉藤鉄夫環境大臣が、「緑の経済と社会の変革」と題する日本版グリーン・ニューディール構想を提唱した。