地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を発生源で捕集し、封じ込める技術(二酸化炭素回収・貯留)。火力発電所、工場、ガス田・油田・鉱山など、CO2を大量に排出する場所で回収を行う技術と、自動車、航空機、船舶、小型発電機、家庭など小規模で分散型の排出源を対象とする技術に大別される。CO2の捕集法としては、アミン法(CO2のみを吸収するアミンや炭酸カリウムなどのアルカリ水溶液を加熱して使う)や固体化学吸収法(CO2のみを吸収するリチウムシリケートなどの個体を用いる)、膜分離法、ハイドレート法(炭酸ガスハイドレートというシャーベット状にして高濃度のCO2を回収する方法)などがある。貯留方法としては地下の石炭層などに吸収固定する地中隔離法、ハイドレート貯留、メタン化貯留(CO2を地下貯留し、地中のメタン菌でメタンガスにする)、海底貯留などの方法がある。また発生源で分解し、炭素を回収する方法としてはプラズマ法、金属触媒を用いた炭素分離などがある。これらの技術は地球温暖化を防ぐ重要な技術であるが、いずれも研究、実用化試験段階である。またほとんどの技術が加熱、冷却、加圧などでエネルギーを必要とし、それ自体がCO2を発生させるリスクもある。