菜種油・ひまわり油・大豆油・コーン油などの植物由来の油や、各種廃食用油(てんぷら油など)から作られる軽油代替燃料(ディーゼルエンジン用燃料)の総称でバイオマスエネルギーの一つ。日本で一般的に使われているBDF(Bio Diesel Fuel)は、この種の液体燃料に関する登録商標名。もともとディーゼルエンジンは落花生油を燃料として動かすことを想定して開発されたが、安定供給できる化石燃料からの軽油に取って代わられた。今再び地球温暖化対策として植物油が注目されるようになった。植物体は二酸化炭素(CO2)をもとに作られるので、それを基にした燃料の燃焼によってCO2を排出しても、それ自体では大気中のCO2総量が増えない(カーボンニュートラル)ので、化石燃料(を使うエンジン)に代わるCO2削減の手段として注目される。ドイツでは、2006年に266万2000トンのバイオディーゼルが生産され、輸送用燃料に占める割合は6%を超えている。ドイツでは、04 年から上限量の設定なしでバイオ燃料への完全な免税措置が実施されており、バイオ燃料の生産、消費を促進している。日本では滋賀県の環境生協が琵琶湖の環境汚染防止のための廃食油を再生したせっけん運動をきっかけにドイツの先進例に学んで、各地のNPOや自治体と連携して「菜の花エコプロジェクト」を進めており、11年6月現在、愛媛県を除く全都道府県で、145団体がプロジェクトに取り組んでいる。北海道滝川市では、06年に菜種油燃料でごみ収集車や公用車の走行実験を行った。