リオ+20に向けて「持続可能な開発のための制度的枠組み」とともに、主要テーマ(「持続可能な開発及び貧困根絶の文脈におけるグリーン経済」)としてとりあげられている経済活動の在り方。リオ+20の準備過程では、グリーン経済に関する統一した定義は合意されていないが、UNEP(国連環境計画)の報告書(“Towards a Green Economy”, 2011)では、「人々の厚生と社会的公正性が改善され、環境リスクと生態学的希少性が大幅に改善される経済」と定義している。日本政府も、リオ+20の成果文書へのインプット提案の中で、持続可能な開発実現のための重要なツールとしてグリーン経済への移行を提案し、グリーン経済の意義を「自然界からの資源や生態系から得られる便益を適切に保全・活用しつつ、経済成長と環境を両立することで、人類の福祉を改善しながら、持続可能な成長を推進する経済システム」としている。グリーン経済の特徴としては、(1)環境と経済の統合を図ること、(2)健全な生態系と環境を現在と将来の世代に継承すること、(3)エネルギー・資源集約度を減らし、汚染を削減し、再生可能エネルギーや自然資源などのグリーン投資分野に重点的に投資を行うことを通じて、環境を保全すると同時に雇用の確保と経済の発展を図ること、などがあげられる。