大規模な災害に伴って発生する廃棄物。震災、洪水、津波や高潮、大規模火災、プラント等の大規模爆発などが発生すると、被害地域では膨大な量の廃棄物が発生する。また化学プラントや原子力発電所などの事故では、大量の有害化学物質や放射性物質に汚染された廃棄物が発生するため、さらに処理・処分が困難になる。2011年3月11日の東日本大震災では、地震、津波、原発事故で大量のがれきが発生し、いまだに処理・処分に苦慮している。地震・津波による廃棄物は、広範囲にわたって大量に発生すること、建物やその他人工物由来の大型で、重量の大きながれきとなること、粉じんや土砂、燃えがら(火災によるもの)と混在したり、塩水に浸っていたりして、通常の焼却施設で直接受け入れることが困難なものも少なくない。また、被災地ではごみ処理施設自体が破損するなどで処理機能が失われたり低下したりすることや、道路の破損による輸送力低下も、ごみ処理を一層困難にしてしまう要因である。このため被災を免れた他地域の受け入れなどの支援が必要になるが、受け入れ側もごみ処理能力のゆとりがない自治体が多かったり、地域住民の了解を得ることが困難であったりして、大規模な災害になるほど解決に時間がかかってしまう。ごみ処理施設の整備にあたっては、他地域からの受け入れをしないなどの条件が付けられることが多いが、これからも大規模災害が起きる可能性があるので、相互支援にも配慮した合意形成を考える必要がある。