日常生活や経済活動に伴う温室効果ガス排出量のうち、削減が困難な量の全部または一部をほかの場所で実現した温室効果ガス排出削減や森林の吸収などをもって相殺(オフセット)することおよびその制度。オフセット・クレジットとは、直接削減できないCOの排出分を、植林やクリーンエネルギー関連の事業などで相殺するカーボン・オフセットに用いるために発行されるクレジットのこと。市場原理を活用した自主的な地球温暖化対策であり、国内外官民さまざまな主体が実施している。カーボン・オフセットは、オフセットを行う主体自らの削減努力を促進する点で、これまで温室効果ガスの排出が増加傾向にある業務、家庭部門等の取り組みを促進することが期待される。環境省では、カーボン・オフセットに用いる温室効果ガスの排出削減量・吸収量を、信頼性のあるものとするため、国内の排出削減活動や森林整備によって生じた排出削減・吸収量を認証する「オフセット・クレジット(J-VER)制度」を2008年11月に創設している。さらに国内における温室効果ガス排出削減・吸収を一層促進する仕組みとして、11年9月に「カーボン・ニュートラル認証制度」が創設され、取り組み全体の活性化が図られている。