2012年9月14日に政府のエネルギー・環境会議が決定したエネルギーと環境に関する戦略文書。この戦略は、省エネルギー・再生可能エネルギーなどを最大限引き上げることを通じ、原発依存度を減らし、化石燃料依存度を抑制することを基本方針とし、以下の三本柱を掲げている。第一の柱は、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」である。これにより、30 年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。その過程において安全性が確認された原発は、これを重要電源として活用する。第二の柱が、「グリーンエネルギー革命の実現」である。「グリーン成長戦略」を強力に推し進めるとともに、それが普及・拡大していくような社会システムへの変革も進めていく。グリーンエネルギーを、社会の基盤エネルギーとして確立し、安定性の向上や地球環境の保全を図り、新たな経済成長分野の出現を促す。第三の柱は、「エネルギーの安定供給」である。化石燃料などのエネルギーについても、十分な電源を確保するとともに、熱的利用も含めた高度効率化を図る。以上の実現のため、「電力システム改革」を断行する。エネルギー需給の仕組みを抜本的に改め、市場の独占を解き競争を促し、発送電を分離することなどにより、分散ネットワーク型システムを確立し、グリーンエネルギーを拡大しつつ低廉で安定的な電力供給を実現する。また、省エネルギーや再生可能エネルギーの拡大を国内外で強力に推進し、「地球温暖化対策」の着実な実施に直結させる。温室効果ガス排出量の削減には、長期的・計画的に取り組む。この戦略は、12年9月19日に閣議決定された「今後のエネルギー・環境政策について」においては、付属文書扱いとなった。閣議決定では、「今後のエネルギー・環境政策については、『革新的エネルギー環境戦略』を踏まえて、関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性をもって不断の検証と見直しを行いながら遂行する」としている。