20~30代における未婚率の上昇。人口統計学的要因分解によると、日本の合計特殊出生率の近年の低下は、その約70%が晩婚化・非婚化による。晩婚化・非婚化の理由として、(1)適齢期の未婚人口性比の不均衡、(2)男女の結婚相手に求める条件の階層間のミスマッチ、(3)高学歴化・就業による女性の経済的自立性の獲得とそれにともなう人生の選択肢の多様化、(4)男尊女卑的家族制度に対する女性の幻滅・忌避感、(5)見合い制度の衰退とそれに代わる男女の出会いの場の欠如、などの仮説がある。これに加えて、独身男女の多くがパラサイト・シングル化しており、また結婚の意味が変わって、男女の結びつきの形態が多様化したとする仮説もある。厚生労働省「人口動態統計」によると、2009年の平均初婚年齢は夫30.4歳、妻28.6歳で、前年よりそれぞれ0.2歳、0.1歳上昇した。