法的な婚姻関係にない、事実婚などによるカップルの子。2007年1月、フランスの合計特殊出生率が2.0に上昇した。この背景としていくつかの要因・背景が考えられる。1870~71年の普仏戦争敗北以来のフランスの伝統的な出生率促進政策、手厚くきめの細かい家族手当、子どもを持つ家庭に有利な所得税制、子どもと女性にやさしい社会政策が挙げられるが、今回注目されるのは婚外子の増加の効果である。ヨーロッパ全体を見ると、50%を優に超える北欧のアイスランドやスウェーデンほどではないが、フランスの全出産数に対する婚外子出産数の割合は近年45%を超え、その数は増加している。これは「結婚しなければ子どもは産めない」南欧の国々や日本・韓国と比較してけた違いに多く、「結婚しなくても子どもは産める」フランスの社会的寛容性と個人的自由、そして人権思想に基づいた福祉国家の在り方を象徴している。さらにこの出生率上昇の要因として、近年増加した移民による出生数増加も指摘される。フランスは元来移民受け入れに寛容な国でもあった。