日本国内における人口移動は、1973年をピークとして以後減少し、総務省「住民基本台帳人口移動報告」によれば、2009年の国内人口移動者総数は530万25人で、前年に比べて5万6910人減少した。都道府県間移動者数は246万9579人で3万8954人減少している。最近の移動減少傾向の理由として、(1)景気の減退が顕著となり、大都市圏や地方都市が周辺の労働力を吸引する力の強くないこと、(2)移動者の中核は15~34歳代の青壮年人口であるが、少子高齢化が進行し、移動送り出し県における該当年齢層の人口が減ったことが挙げられる。09年の1年間で転入超過を示したのは、東京(5万6220人)、千葉(2万1692人)、以下、神奈川、埼玉、愛知、茨城、滋賀、沖縄、福岡、兵庫の10都県であり、首都圏が五つを占め、転入超過総数の実に95%を占める。東京は区部だけで3万7391人(30%)の転入超過があり、首都圏の一極集中が目立つ。