長期間にわたる国境を越えた移住。20世紀後半から21世紀にかけて国際的な人口移動の流れは一層強まった。母国を離れ、外国に居住する人々は、21世紀初頭に1億9100万人を数え、対1960年比で2.5倍となった。アメリカには3840万、ロシアに1210万人、ドイツに1010万人の外国人が住む。2000~05年のアメリカは純移動(流入と流出の格差)で年間平均130万人の移民を受け入れ断然トップである。人口移動の大きな流れは、(1)東欧、中近東、北アフリカから北欧・西欧・南欧に向かうもの、(2)ラテンアメリカとアジアから北米に向かうもの、(3)アラブ諸国、南アジアからペルシャ湾岸石油産出国へのゲスト・アルバイターの三つである。日本における登録外国人は07年末で215万3000人だが、不法滞在者を加えると230万3000人となる。1990年以降、登録外国人の数は急増しているが、近年特に中国、ブラジル、フィリピンからの流入が著しい。