国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は、アジア、アフリカ諸国でエイズ感染者の調査体制が向上したことなどを理由に推計を見直し、2006年時点の感染者数を3950万人から3270万人に大幅に下方修正した。その上で07年の感染者数を3320万人と推計。これまで増え続けてきた感染者数が頭打ちになっているとの見解を示した。UNAIDSは下方修正の理由として、今回、調査・推計方法をより正確なものに変えたためであるとし、特にインドで推計方法を改めたこと、さらにケニア、ナイジェリアなどのアフリカ5カ国での調査方法をより正確なものに変えたことが下方修正分約700万人の7割を説明するとしている。今回の推計では、07年に新たに感染した人は250万人、エイズによる死者数は210万人で、新規感染者数は90年代後半の毎年約300万人をピークに減少し始め、死者数も減少したと算定している。地域別の感染者数では、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国が2250万人と最多(世界全体の68%)を占め、次いで南アジア・東南アジアが400万人、中南米と東欧・中央アジアがいずれも160万人などとなっている。