家族計画への要望(ニーズ needs)を充たせないこと。訳語は「充足されていない家族計画への需要」。国連による世界各国の避妊実行率調査(2005年)によれば、家族計画は途上国全体に普及し、15~49歳の、現在結婚しているか同棲中の女性の59%に浸透している(先進国は69%)。しかしこの数値以外にも、「世界出産力調査」(World Fertility Survey)や「人口保健調査」(Demographic Health Survey)によれば、これ以上は産みたくないとか、一時的に出産を延期したいと考えていても、避妊の知識を持たなかったり、有効な避妊薬や器具の入手が困難であったりするため、家族計画を実行していない女性は多い。07年のアメリカのグットマッカー研究所の研究によると、こうした現在結婚している女性は、途上国全体で依然1億人以上おり、途上地域の結婚女性の15%を占める。また、15~49歳の未婚女性の7%も未充足ニーズを持つと推定される。サハラ以南のアフリカでは特に多く、結婚女性の24%にも上る。元来途上国では、3分の1以上の妊娠は予定されていないものだという。実際には、家族計画の現在不要な女性(妊娠中か産後無排卵期)や、未婚女性を計算方法にどう含めるかで数値は異なる。