人口学・人口研究の核心部門。グラント(J.Graunt)やぺティ(W.Petty)の政治算術から始まった形式人口学は、生命表とその応用、ロトカ(A.J.Lotka)が完成した安定人口理論を経て、人口変動の三要素である出生力、死亡、人口移動の水準・傾向を決める諸要因の計量・解析に至っている。1970年代に入って、途上国の不完全な出生・死亡統計から正しい指標を推定する技術が発達した。同時に出生率、婚姻率の年齢パターンのモデル化が行われた。近年は生命表の概念の拡張と多変量解析を統合するイベント・ヒストリー分析や、事象の減少過程だけでなく追増過程を取り入れた多相生命表の応用が行われている。人口推計は伝統的に形式人口学の領域であるが、最近は出生のタイミング効果と出生順位を考慮した精密な手法が試みられている。