国連が1994年9月にエジプトのカイロで開催した、世界の人口と開発に関する大規模な国際会議。正式名称は国際人口開発会議(ICPD ; International Conference on Population and Development)。179カ国の代表が参加し、合意文書として「行動計画」が採択された。世界の人口問題に関する国連主催の政府間会議としては、74年のブカレスト会議(世界人口会議)、84年のメキシコ会議(国際人口会議)があり、それに続くものである。「行動計画」の特徴は、人口爆発への対策として出生コントロールを唱えるマルサス人口論的な従来の考え方が後退し、女性の権利という視点が強調されたことである。すなわち、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)の促進と、女性のエンパワーメント(地位や能力の向上)という2つの概念が前面に打ち出され、この変化は「人口論のパラダイム転換(パラダイム・シフト)」と呼ばれた。2014年はカイロ会議の20周年(ICPD+20)にあたることから、世界の人口開発問題に関する議論が再燃するとみられる。