シリコンなどの半導体でつくられた太陽電池は、太陽の光エネルギーを吸収して電気に変える。この太陽電池で発電した電気は直流だが、パワーコンディショナーで電力会社と同じ交流電力に変換して、家庭内のさまざまな家電製品に電気を供給するのが太陽光発電システム。太陽光という究極の自然エネルギーを利用した地球に優しいシステムである上、天気のよい日の昼間の余剰電気は電力会社に買い取ってもらうことができ、家庭内の光熱費の抑制効果も大きい。政府の積極的な支援策もあり、1990年代から2000年代初頭にかけて、日本は世界一の太陽光発電国だったが、長期不況のなか、05年で補助金制度が打ち切られたこともあり、その後、ドイツなどのヨーロッパ諸国に追い抜かれた。しかし、09年から補助金制度が復活、また同年11月からはそれまでの2倍の価格で太陽光発電による余剰電力を買い取る制度がスタートしたため、太陽光発電システムの設置件数が急速に増加している(ただし、補助金制度は終了)。地球温暖化対策に貢献すると同時に、太陽光発電関連産業は将来有望産業に発展する可能性が高く、ますますの発展が期待されている。